【合気道10/28】「こんにちは」をちゃんと言えれば、相手はついてくる

クラス:合気道

日 時:2014年10月28日(火)・15時~17時

場 所:王子スポーツセンター柔道場

参加者:5名

 

内 容

  • 体操
  • 呼吸法
  • 鳥船
  • 四方切り
  • 足捌き
    • 送り足
    • 継ぎ足
    • 送ってから継ぎ足
    • 送って継いで送り足

(休憩)

  • 受身・膝行
  • 体術
    • 逆半身片手取り転換6種
    • 逆半身片手取り歩み足転換
    • 逆半身片手取り歩み足で抜けて気を通す
    • 正面打ち一教(表のみ)
    • 坐技呼吸法
  • 輪になって呼吸

 

希望者のみ居残り稽古(17時~18時15分)

参加者:3名

 

内 容

  • 呼吸合わせ
  • 体術
    • 両手取り天地投げ
      • 地の手のみ
      • 天の手のみ
      • 両手で
    • 両手取り四方投げ
    • 両手取り入り身投げ
  • 輪になって呼吸

 

雑 感

徐々に、そして確実に寒くなってきております。

この日も正規の稽古が終わった後に希望者だけ残って体術の稽古をしたのですが、18時過ぎになって道場を出る時にはだいぶ冷え込んでいました。

王子の柔道場はやたらと広い上に、あちこちにすきま風が吹いているので、冬は本当に冷えます。

私達の団体は昼間~夕方の開催なのでまだマシですが、おそらく夜の時間に使っている団体はもっと悲惨なことになっているでしょう。

 

王子の柔道場にエアコン設備はないのですが、とある筋からストーブなら一台だけ貸してもらえるという情報をゲットしました。

これまで「休憩時間に止まってると余計に冷える」という事態に悩まされていましたが、今冬はぜひストーブを活用して暖かいスペースを作りたいと思います。

冬を乗り切るぞ!

 

と、まあそれはそれとして、今回の稽古では先々週のお稽古の関連で、「間合い」について重点的に確認をしました。

 

体術の時間に、「後手に回らないように、自分から相手に手を取らせていきましょう」という説明を私はよくするのですが、人によっては、「手を取らせよう」と気持ちの上では思っても、具体的にいったいどのタイミングでどう手を出せばいいのかがわからなくて混乱してしまうことがあります。

「取らせなきゃ」という気持ちが先行してしまって、焦りで動きがぎくしゃくしてしまうのです。

 

受けに手を取らせる場合には、「どちらかがあと一歩踏み込んだらちょうど手が取れる間合い」で手を差し出さねばなりません。

あまりにもお互いの距離が遠いところで手を出しても、受けの人は取りに行けませんし、逆に近づいてしまってから手を出すのでは、今度は相手に抑えられてしまって身動きが取れなくなります。

 

場を作るためには、相手が取りやすい位置に、取りやすいタイミングで手を出すことが肝要です。

そうすることで、受けの人の意識と身体に「出された手を取ろうとする動き」を生み出すことができます。

そして、この「受けの人から引き出されてきた動き」の流れを取って、それを加速したり方向を変えたりしていくことによって技が生まれてくるのです。

 

合気道では、取りの人が受けの流れを引き出さないと、稽古が成立しません。

なぜなら、こちらの手を取ろうとして、心と身体がリアルタイムで動いている人にしか技はかけられないからです。

 

もちろん、止まっている人が相手でも、力尽くで引っ張り回すことはできますし、鈍器や刃物などでその肉体を壊すこともできます。

でも、技はかからない。

というのも、心と身体が止まってしまっている人や、そもそもこちらと関わり合う気が全くない人とでは、「対話」が立ち上がらないからです。

 

大抵の武道や武術は、襲ってきた敵を倒すなどして、「なるべく早く話を終わらせる」ことを目的にしています。

でも、合気道はそういう風に「相手との関係を断ち切ること」よりも、むしろ「どんどん新しい関係を創造していく」ことを目指している武道です。

そして、「対話」を立ち上げるためには、相手を誘う最初の一言が必要になります。

会っていきなり話の本題には入れませんので、「もしもし、聞こえてますか?」とか「こんにちは、良いお天気ですね」とかいったような「導入部分」がないといけないということですね。

 

この「導入部分」が、合気道の体術における「手の取らせ方」に相当します。

どうすれば相手と関係を取り結ぶことができるか?

どうすれば相手の身体から「独自の言葉」を引き出すことができるか?

合気道において「手の取らせ方を工夫する」というのは、そういった問いの答えを模索することを意味しているのです。

 

それで、まず大事になるのが「間合い」です。

取りの人は、遠すぎず近すぎず、適切な間合いを把握して手を差し出すことができないと、受けの人の動きを十分に引き出せないからです。

話をするときも、こちらが俯いたままでもじもじしていては、話はなかなか始まりません。

相手の方を向いて、聞こえるように「さあ、一緒に話しましょう」というサインを送らないと、「対話の場」は創造できないのです。

 

今回の稽古では、「あと一歩で手が届く間合い」を身体で覚えるための方便として、一度実際に手を取った・取らせた形を作って、そこからお互いに一歩後ろにさがり、再度踏み込んでそのまま技に入る、ということをしました。

こうすると、どれくらいの距離からなら相手に手が届くかをはっきりと確認することができますし、手を取らせる流れをそのまま使って技に入っていきやすくなるので、手順を気にして一歩ずつ足を止めてしまうのを防ぐことにも、ある程度は役立ちます。

 

さきほども書きましたように、合気道の稽古は「相手の身体を一方的に壊すこと」ではなく、「様々な仕方で相手と関わり合っていくこと」を目指しています。

自分から「対話の場」を設定して、動きの中で他者と関係していくのです。

「自分の言いたいことだけを言っておしまい」という一方通行ではなく、「相手と共存しながら話し続ける」ためのお稽古とも言えます。

 

しかし、実のところ、これは私がすごく苦手としていることです。

昔から、私は誰かと仲良く話をしたり、新しい人と知り合いになったりすることに対して消極的な性格をしています。

でも、だからこそ、私はいまだに合気道の稽古を続けているのかもしれないです。

私は身体を器用に動かすことだけはそこそこ得意なので、もし合気道が「身体を上手く使えたらそれで良い」というだけの単なる「エクササイズ」に過ぎなかったなら、私はとうに飽きてやめてしまっていたでしょう。

 

新しい人と出会う際に、自分の方から歩み寄って「対話」を始めるのは、私にはとても難しいことです。

私は人から嫌われることが怖いですし、何か言い間違ったり誤解されたりするのが嫌で、気持ちが内に引きこもりがちです。

でも、合気道の稽古は、そういう私を少しずつ育ててくれていたのだと思います。

 

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