【合気道11/11】陰陽平衡

クラス:合気道

日 時:2014年11月11日(火)・15時~17時

場 所:王子スポーツセンター柔道場

参加者:8名

 

内 容

  • 体操
  • 呼吸法
  • 鳥船
  • 四方切り
  • 足捌き
    • 送り足
    • 継ぎ足
    • 送ってから継ぎ足

(休憩)

  • 受身・膝行
  • 体術
    • 逆半身片手取り転換6種
    • 逆半身片手取り歩み足から気を通す
    • 逆半身片手取り入り身投げ
    • 逆半身片手取り四方投げ
    • 逆半身片手取り一教
    • 逆半身片手取り呼吸投げ
    • 坐技呼吸法
  • 輪になって呼吸

 

雑 感

今回は私と同門の篠原さんが主宰をされているささの葉合気会から出稽古に来られた方が数人おり、人数多めの賑やかな稽古となりました。

皆さん動きも発想も柔軟なので、こちらの言葉がスッと身体に浸透します。

私の手が足りないところでは、うちの門人への指導もしてくれて大助かりでした。

感謝感謝です。


さて、今回ですが、「相手と同化して動くこと」をテーマにしました。

「自分の行きたい方向」を押し通すのではなく、「相手の行きたい方向」に合わせて自分を折ってしまうのでもなく、「二人の行きたい方向」を探って動いていくお稽古です。

たいていの場合、相手に自分の動きを力尽くで無理強いしてしまうか、相手の要求を譲歩して聞きすぎてしまって自分のバランスを崩すか、どちらかになります。

前者のケースは、心の中に不安に思っていることがあって、そこを見ずにさっさと通り過ぎてしまいたいとき、あるいは単に自分の力を相手に誇示したいときなどに発生しやすく、後者は、自分の生命力を外側に向かって伸ばしていくことに恐れや躊躇いがあるとき、あるいは自分よりもついつい相手を優先してしまう穏やかな気性の方が技をされる際に多く起こりがちであると私は思っています。

 

この二つの傾向、「自分を押し通したい気持ち」と「相手を尊重しようとする気持ち」は、誰もがその両方を持っています。

どういう割合で持っているかは人によって違いますが、どちらか片一方だけというという人はまずいません。

もしいたとしても、そういう人はたぶん、周りの人を攻撃し続けて孤立してしまうか、他人を気にするあまり終生引きこもってしまうかしているはずで、いずれにせよ合気道の稽古に通えるほど健全な社会生活を送ってはいないでしょう。

 

これら二つの傾向は陰と陽のようなもので、お互いに根を同じくしたものです。

「自分の潜在能力をこの人生において力一杯発揮したい」という欲求は「陽」の成分、「自分の存在を退けて他の誰かに道を譲ろう」という気持ちは「陰」の成分です。

普通に生活している分には、この二つのバランスが多少崩れていても、そんなに不都合がないので問題にはならないのですが、合気道においては話が変わってきます。

陰と陽との差がなくなり、「陰陽平衡」の状態に持っていくことを求められるのです。

 

すなわち、「自分の持っている生命力を残らず発動させつつ、それと同時に、相手が持っている力も伸び伸びと発揮できるようにする」ということが稽古の課題となる。

それが「同化的に身体を使う」ということです。

しかしこれは、いきなり取り組むにはいささか難しい課題です。

なので、たいてい最初のうちは陰と陽のどちらか片方だけを伸ばしていくように稽古は進みます。

 

陰陽どちらを優先するかは、稽古を主催している人の気質によって変わります。

「裂帛の気合いとともに相手を一刀両断するつもりで斬り込め!」といったような指導から入るか、「相手をまるごと受け入れるように柔らかく心身を使いましょう」といったような指導から入るか、これは指導者の人柄によります。

 

でも、最終的にはその両方が必要です。

誰しも苦手なほうがあるものですが、陰陽のどちらか片方だけを伸ばしていると、どこかで上達が頭打ちになります。

自分の限界を超えるためには、「己の命を世の中に叩きつける気持ち」と「他者の命を尊重する気持ち」とを同時に深めていき、虚実陰陽の平衡状態を作り出せるだけの「人としての幅」とでもいったものを練り上げていかねばなりません。

 

「偉そうに言ってるけど、当のお前はどうなんだ」と言われると自信ないんですが(汗)、少なくとも「そっちの方向を目指していこう」と思って稽古をしてはいます。

で、これを読んでいる人には言うまでもないかもしれませんが、私は「陰」の傾向が強いです。

昔は「陽」の傾向もかなりあったのですが(なんせ「俺が俺が」のブレイクダンスの世界にいたくらいですからね)、二十歳過ぎで一度どっぷりと引きこもり状態になって、そこから何とか立ち直ったら「陰」の傾向がかなり強まってました。

「外の世界」に戻って数年ぶりにブレイクダンスの先生に会ったら、「昔はあった軸がなくなった」とか「色気がなくなった」とか言われました。

 

なので、うちの教室では、私の人間的気質に基づいて「陰」を伸ばす稽古が中心になっています。

「とにかくまずは相手を受け入れて、柔らかく柔らかく」という方向ですね。

 

ですが、ここまで散々書いてきましたように、いつまでもそれだけをやっているわけにもいきません。

自分の命を全力でバーンとぶつけていくような稽古も、いつかはせねばならない。

もちろん、今稽古に来られている方々は「『そういう系』はできたらしたくないなぁ」と思うような人だからこそ、うちの教室を選んだのだとは思いますが、修行の進展具合を個々に見つつ、「陽」の稽古が必要な時期にさしかかったと私が判断したら、容赦なくそっちの稽古もいれていきますので、今のうちからお覚悟を決めていただきたいと思っております。

 

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