1ヶ月経ちました

岡山に引っ越してきて、1ヶ月が過ぎました。

こちらでの生活にも慣れ、ご近所さんたちとも仲良く付き合っています。田舎ということもあってか、他人の家の敷地に入ることにどなたもあまり心理的な抵抗がないみたいです。たとえば、私が畑で作業をしていると、近くの道を散歩していた人が「こんにちは」と言いながらそのまま畑までやってきて、世間話が始まったりします。

また、ご近所さんの畑とうちの畑の間も、石を並べて仕切ってあるだけか、せいぜい小さな畦がある程度なので、お隣さんが畑仕事しているときに私が作業していると、自然と挨拶し合うことになります。ときどき、お隣さんがご自分の畑で採ったばかりの野菜を分けてくれることもあって、夫婦一緒に美味しくいただいています。すぐそこの畑からむんずと引っこ抜かれたばかりのタマネギは、生で食べることもできるくらい新鮮です。

それから、このあたりの土地柄なのか、スーパーはもちろん、ホームセンターなどにも近所の農家さんが作った野菜が並んでいて、どれも安くて新鮮です。そういった野菜は、都会のスーパーで売っているものより規格外に大きかったりするし、大根などは葉っぱがたくさんついたまま売られているので、可食部分も多くてたいへん助かっております(タマネギや大根の葉っぱは、早めに切って冷凍しておくと長持ちしますし、調理の最中、ちょっと葉物を足したくなったときなどに気軽に使えて便利です)。

 

妻のほうは、出産予定日まであと1ヶ月を切りました。胎児は順調に大きくなっていますが、我が子の成長に妻のお腹が追いつかなくなってきているみたいで、皮膚がパツパツです。

妊婦さんの中には皮膚にテンションがかかりすぎて、皮の奥の方の真皮が裂けてしまう人もいるそうです。表皮であれば裂けても元通りに再生しますが、真皮まで裂けてしまうと痕が残ってしまいます。それを予防するために、お腹まわりのオイルマッサージをしたりもするのですが、そういえば、最近やってあげていないです。今はもう夜なので、また朝になって妻が起きたら、久々にマッサージの提案をしてみようと思います。

 

畑のほうは、とりあえず表面だけはだいぶ掘り返しました。

昨日の畑
昨日の畑

一面、草が伸び放題だったのですが、この1ヶ月、妻と一緒に地道に鎌で草を刈って、ひたすら鍬で土を掘り返しました。

いつもよくしてくれているお隣さんが、「電動の草刈り機や耕耘機を貸してもいいよ」と言ってくださったのですが、私はできたら自分の身体を使ってやりたかったので、その旨をお伝えしたところ、「それはいいことだ」と言って、私たちのやりたいことを理解し、尊重してくれました。

機械を使わずに手仕事でやっているので時間はかかりますが、そのぶん身体は鍛えられますし、畑の土や動植物から「とても大切なこと」を直接教わることもできます。なにより、畑で作業をしていると、草や虫たちを多かれ少なかれ自分自身の手で「殺す」ことを避けられないので、「私たち人間もまた、他の命を日々食べて生きているのだ」という事実を忘れないでいることができます。

日々の畑での作業は、私にとっていまや「掛け替えのないレッスン」となっています。私はそれを失いたくないので、今後も可能な限り自分の身体を使って畑とかかわっていきたいと思っています。

 

道場の建設のほうも、いくらか進みました。

道場建設予定地
道場建設予定地

ちなみに、こちらは畑とは違って、電動の工具を一式買いました。ノコギリと金槌も買ってはいたのですが、実際に使ってみて、私にはいささか難しいように感じました。それに、「せっかくだからこの機に電動工具を使ってみたい」という憧れにも似た想いがあったので、こちらは工程がだいぶ機械化しています。

電動ノコギリで「チュイーン」と木を切っていくのは、慣れるとかなり爽快です。インパクトドライバーという電動のネジ締め機はなかなか扱いが難しく、まだ失敗も多いですが、うまく噛み合ってネジがスムーズに木に吸い込まれていくと、思わず「おお!」と声が出てしまいます。

 

ただ、今はまだ床下に敷く根太を切って並べただけなので、全体の工程としては四分の一くらいしか進んでいませんし、問題も山積みです。

まず、下のコンクリートがけっこうでこぼこしているので、根太の高さが均一になるような処置を施さなければ、上に板を載せることができません。コンクリートが出っ張っているところの木材を電動の紙やすりで削ったり、コンクリートがへこんでいるところには薄いベニヤ板を噛ませたりして高さを調整していますが、これにはけっこう時間がかかりそうです。

それに、上でも書きましたが、インパクトドライバーをまだまだ私が使いこなせていないので、ネジ締め作業も難航しています。昨日も、一時間かけてネジ一本さえ、きっちり最後まで締め切ることができませんでした。根太をしっかり結びつけるために長めのネジを買ってきたのですが、ネットで少し調べたところ、ネジが長いと難易度も高くなるようです。下穴を少し大きめに空けたり、ドライバーや木材をしっかり固定したり、ネジの頭に接続する「ビット」と呼ばれる部品の大きさをいろいろ変えてみたりしていますが、まだまだ試行錯誤の途中です。まあ、そういった試行錯誤こそが楽しいわけなのですが。

 

それから、コンクリートの上に直接根太を敷くので、床下の湿気対策が必要になります。実のところ、これが今やっているこの工事において一番の問題点かもしれません。

普通は、床の下に「束(つか)」というものを立てて高さを出し、床下に空間を作って空気が通るようにするそうです(古い家などでは、小さな子どもがよくここに潜り込んで遊んでいるようなイメージが私にはあります)。しかし、私がホームセンターでDIY(日曜大工)のアドバイザーに相談したときには、そういったことは特に何も言われなかったので、実は湿気対策について最近になるまで私は何も考えていませんでした。

本当なら、根太よりも下に「大引き」という木材も配して、床の強度を高めるそうなのですが、「下がコンクリであれば強度は問題ないので、束も大引きも無しでそのまま根太を敷いてオッケー」という意見をネットでも見ましたし、DIYアドバイザーの方も同じ工法を紹介してくれたので、私はそれらをただ鵜呑みにして、「そういうもんなのかー、楽でいいな。ラッキー」くらいに考えていました。

しかし、つい先日、水回り関係のリフォームの見積もりに来られたプロの建築屋さんに見てもらったところ、「これだと三年か四年で根太が腐ってしまうだろう」と言われてしまいました。床下の湿度を調整してくれる「調湿剤」というものも使おうと思っていたのですが、それについても「あまり役には立たないだろう」という見立てでした(ちなみに、その建築屋さんは万事についてこちらが理解できるようにきちんと説明してくれる誠実な人でしたので、この見立ても信頼に足るものと私は思っています)。

かといって、今から束を立てる工法に切り換えるとなると、材料費もそのぶん多くかかりますし、今までやって来た作業も全てやり直しになります。また、既に根太に使う木材は全部切ってしまったので、最初からやり直すとなると、根太のぶんの木材もまた買い足さないといけなくなる可能性が非常に高いです。

それに、妻の出産後は作業のための時間をそれほどたっぷりとは取れなくなると思われるので、今のように畑と並行して工事を続けて行くのにも「タイムリミット」があります。

そんなわけで、この数日ずいぶんあれこれ考えたのですが、今は時間もお金もあまり余裕がないので、今回はこのまま根太だけの工法で続行することに、最終的には決めました。プロには「三年か四年の命」と言われてしまいましたが、「やってみないとわからない」という部分もあると思いますし、「実際にやってみたおかげでわかったこと」を糧にして、補修や再建築についても必要になったときにそれぞれ考えていこうと思います。

ツバメの巣
ツバメの巣

そういえば、道場を建設中の倉庫の天井に、ツバメが巣を作りました。

私が電動工具で作業をしていると騒がしくなるので出て行ってしまいますが、普段はよく入り浸っています。

どうやらここはツバメたちにとって非常に魅力的な「巣作りスポット」らしく、巣ができはじめた頃は、複数のペアが場所の取り合いをして毎日のようにケンカをしていました。明らかにいつも三羽~四羽のツバメが出入りしていて、ときどき、外から入ってきたツバメを「こっちに入ってくるなー!」というような調子で中から出てきたツバメが追い払ったりしていたのです。

あんまりケンカはしてほしくないのですが、彼らも生きるのに必死なわけで、場合によっては共存が難しいのも仕方のないことかもしれません。

 

ただ、どうも今は三羽で協同して巣を守っているらしく、三羽までなら一緒にいるのをよく見ます。妻によると、「鳥類の中には、ペアを作ることのできなかった個体が、他のペアの子育てを支援するものもいる」とのことでした。ツバメがそうなのかどうかわかりませんが、うちの倉庫では三羽で協力して巣を作り、代わる代わるこれを守っている光景を私は日々目の当たりにしています。

鳥たちの中に見る「相互扶助」の一つの形と言えるかもしれません。

よく見ると上のほうにツバメが止まってます
よく見ると上のほうにツバメが止まってます

上の写真は、西宮から持ってきた洗濯物を干すための支柱ですが、よくツバメが止まり木として利用しています。

この支柱は、もともと集合住宅のベランダで使用することだけを想定してデザインされているので、外に出しておくとちょっとした風で簡単に倒れてしまいます。それで、臨時の措置として倉庫の中に置いて保管していたのですが、いつの間にやら、すっかりツバメさん達のものになってしまいました。たたんでしまうのもかわいそうなので、そのまま置いています。

 

先日、巣も完成したらしく、ほぼ常時ツバメが巣の中に入ってジッとしています。ひょっとすると卵を温めているのかもしれません。

きっともうすぐ雛が生まれます。

このままいけば、1ヶ月後にはうちにも子どもが生まれますし、賑やかな夏になりそうです。

 

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